兵四郎ファーム設立のきっかけ

もう一度、あのおいしいお米を。

そのお米との出会いは平成16年、社長の野見山が友人からいただいたものでした。その味に感動し、「どうしてこんなにおいしいのか?」と友人に尋ねたところ、自家製の有機肥料の田んぼで育てたお米であるとのこと。どんな風につくっているのか気になり、その友人の田んぼを訪ねました。
 そこは緑豊かな山々に囲まれ清らかな水に恵まれた、昔から有名な米の産地、福岡県朝倉市甘木地区。

そこで友人や農家の方々に話を伺ううちに、有機肥料で育てた米の素晴らしさはもちろん、その栽培と流通の難しさ、農薬を使いたくなくても使わざるを得ない農業の現状、農薬が環境に与える影響などを知り、次第に「このままではいけない」という思いが、ふつふつと湧きあがってきました。
 同じ食に携わる者として、農家の方々と一緒に安全な米づくりを広めて守っていきたい。そして何よりもう一度あのおいしいお米が食べたい。そんな思いから、農薬・化学肥料に頼らない、微生物の力をかりた、安全・安心な米づくりに取り組む決意をしました。

苦難を乗り越え、
辿り着いた「理想のお米」。

生産者の方々や社員からは「本当にできるのか」「無茶だ」と猛反対されながらも始まった米づくり1年目は、試行錯誤の連続。作付けする田んぼは、昨年まで農薬や化学肥料を使用していたため、土の再生からスタートし、さらには台風や猛暑、雑草やウンカなどの害虫の発生など、自然の驚異にも直面しました。
 苗に影響がないといわれる田植え直後に、一度だけ除草剤を使用していましたが、それだけでは雑草の成長の勢いは収まらず、太陽が照りつける中で広い田んぼで腰をかがめながら、汗だくで草取りをし、何よりの重労働であることを痛感しました。

そのようにして、収穫したお米は予定していた量にはほど遠く、お客様におすそわけしたり、社員にわけたりと、販売にはたどり着けない年が続きました。
 しかし、ご試食いただいたお客様から「とてもおいしかった」「昔食べたお米の味がする」など嬉しいお言葉をいただいたことで、苦労をしてでもこの農法を続けるべきだと社員一同確信しました。
さらに協力してくださる生産者が増え、少しずつ輪が広がったことも私たちの背中を押してくれました。

そして米づくり4年目の平成21年の春、私たちは新たな決意をしました。「田植え後の、ただ一度の除草剤もやめること」。それはお客様により安全・安心でおいしいお米をお届けするため。さらに過酷な栽培になるということはおのずと知れていましたが、同じ目標に向かって、力を合わせてくれる仲間がいたからこそできた。
そして秋、収穫の時を迎え、ついに理想としていたお米が実ったのです。それは栽培当初から望んでいた、農薬化学肥料を一切使わない、本来のおいしさが詰まったお米でした。

これからの兵四郎ファーム

私たちが長い歳月をかけて学んできた”農薬・化学肥料に頼らず、微生物の力で自然と共生する農法”をつなぎ、現状に満足することなく、よりおいしいものを継続して食卓へお届けするため、平成27年秋“農業生産法人 株式会社 兵四郎ファーム”を設立しました。
 農薬を使うよりもずっと時間と手間はかかりますが、農薬を使わない田んぼには、たくさんの生き物が棲んでいます。自然と共生する米づくりを続けることで、環境を守ることにもつながっていきます。

私たちは、この農法を広め、人・まち・自然の健康を守り、後継者も育てていきたい。ひいては日本の食糧自給率を上げる、という壮大な目標に向かって歩んでまいります。
「安全なお米や作物を安心して食べる」そんな当たり前のことを当たり前のこととして伝えること。それを実現できるよう、継続して取り組み、未来につなげていくこと。それが私たちの使命だと信じています。