本当のおいしいからはじまる
挑戦と実りのストーリー
平成27年、味の兵四郎の農業部門として「兵四郎ファーム」は設立しました。日本初のあご入りだしパックの開発をはじめ、手軽に本格的な料理を作れる商品で、食卓に”おいしい”と”笑顔”を届けてきた味の兵四郎が一からはじめる米づくり。ただの米づくりではなく、土壌から整え、大地の栄養で豊かに育てる“有機農法”にもこだわりました。一筋縄ではいかない有機農法は、最高の味をつくるという食にかけた情熱が突き動かす挑戦そのもの。安全安心で本当においしいものを届けたい。その想いがつなぐ実りまでのストーリー。
あの時食べたお米の味を今でも覚えている
「友人が自分で育てたというお米をおすそ分けでいただきました。見た目は普通のお米。今まで食べていたものと何も変わらないように思いました。でもね、あの時食べたお米の味は今でも思い出せるほど最高においしかった。本当においしいと心から思えるお米と出会ったんですよ。」遡ること平成16年、当時社長を務めていた野見山が出会った最高においしいお米からこのストーリーははじまります。
このおいしさはどこからきているのか。自然豊かな福岡県朝倉市甘木地区は米の名産地でもありましたが、それだけじゃない“何か”がこのお米にはあったのです。それは農薬・化学肥料に頼らない有機農業がもたらす自然の恵みから生まれる旨みであることを友人から教わります。「健康な土で育った食物がこんなにもおいしいことを知ってしまったら、やるしかない。またあのおいしいお米を次の年もその次の年も食卓で食べられるように。」翌年より、農薬・化学肥料を一切使わず自然と共生する兵四郎式有機農業がスタートします。
おいしいものを食べて健康になれるのが一番いい
農薬・化学肥料に頼らないのであれば何を利用するか?それは自然の力です。先人の知恵のもと菌や微生物を活発に働かせ、虫などの小動物が生きられる環境を整えることで良質な土壌へと生まれ変わらせていったのです。「健康な作物の根は色が白い。兵四郎ファームで育つ作物は生き生きと白い根を伸ばして自ら大地のミネラルを吸収しにいきます。そして元気に丈夫に育つとおのずと実りも多くなる!そんな栄養たっぷりに育った作物を食べたら人も元気になる!これこそが私たちが有機にこだわる理由です。」手間と時間をかけた有機農業の成果を証明するかのように兵四郎ファームの稲は、台風の雨風の中でも倒れることなく力強く大地から伸び、ウンカなどの害虫被害にも侵されたことがありません。自然のエネルギーを吸収した生命力溢れる有機の強さを私たちに見せてくれました。
兵四郎ファームの有機農法は妥協しない
「除草剤や消毒液は作物にとっては毒。自然環境や河川汚染へも被害をもたらすことにも目をそむけられません。農薬・化学肥料を一切使わない有機農業こそが兵四郎ファームが目指すべき目標。やるからには妥協はできません。もちろん大変なのは覚悟していました。草が生えては刈るの繰り返し。ですが、それこそが私たちをやる気にさせたのです。」はじめは一人でスタートした米づくりも社を挙げての一大プロジェクトに。除草剤を一切使わない有機農法はより一層手間がかかりましたが、より多くの愛情を注ぐことができました。それに応えるように収穫されたお米は、格段においしく、あの日食べたお米を思い出させました。皆の想いと苦労が実った自社ブランド米「兵四郎米」がここに誕生したのです。兵四郎米は、炊いている時からお米本来の香りが立ち込め、炊きあがりにはふっくらツヤツヤと輝く粒。また食べたいと思えるような本当においしいお米ができあがりました。このお米が食卓にあるから家に帰るのも楽しみになる。そんな豊かな食卓のために兵四郎ファームは安全安心な有機農法にこだわり、ますますおいしい米づくりを追い求めます。
兵四郎米は素直なお米なんです
こうして丁寧に手間ひまをかけて誕生した兵四郎米は多くの人に認められ、たくさんの家庭で食されるようになりました。そのままでももちろんおいしい兵四郎米は、味噌やお酢などでもその独自のおいしさに磨きをかけます。こんな印象的なエピソードがあります。福岡の老舗酒造「大賀酒造」とのコラボで誕生した日本酒「純米吟醸 兵四郎」。様々な工程を経て完成される日本酒ですが、兵四郎米の樽を見てきた杜氏は他の米との違いをこう語ります。「兵四郎のお米は素直なんです。僕が発酵してほしい時に発酵をはじめる。そのふつふつと湧き上がる様はまさに大地のエネルギーを感じるのです!さらに僕がここで甘くなるともっと良い酒になるぞと思うと甘くなるのです!こんな素直に応えてくれるお米は他に出会ったことがありません!」職人をも驚かせる兵四郎米の底力に、これからの可能性を感じられずにはいられません。何かを成し遂げるたびに気付かされ、教えられる日々。兵四郎は安全でおいしい食の追求をとめることはありません。兵四郎ファームはそれを継続的に作り上げる土台でもあり続けます。
日本の農業をここから変えていきたい
兵四郎ファームは、農薬・化学肥料を一切使わない有機農業を未来へとつなげる取り組みも行っています。「私たちが米づくりをはじめる時にも、農業が抱える様々な課題に悩まされ、壁となりました。だからこそ兵四郎ファームは、この業界の課題解決にも取り組んでいきたいのです。日本の農業をここから変えていくという大きな目標を掲げています。自然と人を元気にする有機農業を続けることがその一歩であると考えています。」他にも生産者の育成、農家の経済的支援、食料自給率向上にも積極的に取り組んでいきます。さらに、持続可能な農業と世界へ向けた商品展開を見据え、適切な農場管理を証明する国際水準のASIAGAP認証を取得しています。生産者の安全確保や働く環境を支援し、環境保全に取り組みながら、世界の消費者に安全な食事を提供していきます。農薬・化学肥料一切不使用の兵四郎米は今後も皆様に安全・安心なおいしいをお届けします。